子豚の誕生

 分娩1週間前に、母豚は分娩室に入ります。母豚カードや体調を確認し、お腹を優しくなでて声を掛けてあげることにより、安心して分娩がむかえられるようにします。
 
 
さあ、生まれました。1.5Kgはありそうな元気な赤ちゃんです。母豚は一度の分娩に平均12頭〜13頭の子豚を分娩します。
 
赤ちゃん豚は、生まれると直ぐに、よたよたと立ち上がり母豚の体に鼻を押し付けながら乳房をさぐります。こけたり、しりもちをついたりしながら、一生懸命歩き乳房にたどり着きます。
 
 (保温はしてありますが、分娩時には体が濡れていますので、体温が下がらないように、体を布でふいてあげます。)


      おやおや!おっぱいの取りっこです。
 どのオッパイが自分には飲やすいのか一生懸命さがします。 


 
一度決めてしまうと、なかなか変えられませんので、小さく生まれた赤ちゃん豚がいた時は、母乳がたくさん出そうなおっぱいを選び、飲みやすいように介助をしてあげます。

 又、他に分娩をしている母豚がいる時は、母豚カード見て、産歴、以前の育成成績、乳房の様子を確認し里子などをして全頭が元気に育つように配慮します。
 
 子豚は母乳から全ての移行抗体を授かります。たくさんの初乳を飲ませることが、無薬で育てる子豚にとっては、とても大切な事で元気に育つ秘訣なのです。


 生まれた子豚は、貧血予防の鉄剤の注射がされます。
 又、お互いの尾を、おもちゃにしてかじってしまうことがありますので、可哀想に思うかもしれませんが、毛先だけ断尾します。
 その後、雄豚は一週間から10日日齢ほどで、肉豚として順調に発育する為に去勢されます。(雄豚は大きくなるとケンカをしたり、肉に精臭がついたりするからです。)免疫力の高い日齢で行いますので、ヨード剤の消毒のみで抗生剤は、使用しません。
 
また、離乳の準備として隣の豚房との仕切り板を外し、子豚だけ自由に動き、母豚の違う子豚と同居させて慣らさせます。
 母豚は居ますので安心してグループ作りになります。お腹いっぱいになって、気持ちよさそうに眠る子豚たち
です。 


       哺乳期間は、約25日間になります。
 豚舎を使いまわす効率は下がってしまいますが、
離乳のストレスを少なくするために、始めに母豚だけの移動になります。
 
 
分娩室に残った子豚たちは、10日齢から与えられた離乳食用のミルクを、一週間充分に食べ育成室に移動する準備をします。
離乳当日は、母乳が飲みたくて ぶーぶー と、泣いてちょっと寂しそうです。


病気予防の為、サーコ・フレックス ワクチンを、3週令にて接種

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